※本記事は2020年12月29日に公開いたしました。記載の内容・リンクなどはレポート公開時のものです。

会場
秋葉原UDX(東京都千代田区) 2階 イベントスペース「AKIBA_SQUARE」 & 4階 「UDXギャラリー」
期日
2019年11月29日 11:00~16:00 ※11月28日は準備日
参加者数
約1000人(チケットのチェックイン数+サークル参加者数から推定)
参加サークル数
131サークル(当日欠席したサークル含む) リストはこちら

昨年末より流行が見られていた、2019新型コロナウイルス (SARS-CoV-2)による急性呼吸器疾患(COVID-19)は、2020年の日本の同人イベントにも甚大な影響を及ぼしました。様々な困難を乗り越えて開催を続けていたコミックマーケットも中止・延期に追い込まれ、インディゲームにとっての貴重な露出機会であった東京ゲームショウ、BitSummit、TOKYO SANDBOXなども次々と実地開催を断念、オンライン化へと舵を切るなどの対応に追われました。
しかし、それらオンラインイベントへの転換もすべてが上手くいったかというと決してそうではなく、インディゲームデベロッパーの皆さんは今年一年、大変な向かい風に晒され続けていたと思います。
デジゲー博準備会は2020年半ば、非常事態宣言明けの7月に本年度も実地でイベント開催する旨を宣言させていただきましたが、代表のメッセージ「『場』の持つ力を信じて」に実地開催に拘った理由は集約されています。
「多くの作品に触れ、その作者やファンと交流することで、今を乗り切り未来へ向かうモチベーションを得て頂きたい」
この思いを胸に、「実地で開催できるイベントの様式」を考えていきました。

各業界・自治体のガイドラインや、他の同人イベントでの感染症対策などを見本として、「参加者同士のフィジカルディスタンス確保」を軸に机スペースの扱いや、スペースの人数等を設定いたしました。また、万が一に備え参加者追跡ができるよう、一般参加者の連絡先提出を必須とし、そのシステムのために外部のチケット発行サービス「Peatix」を初導入しました。(現金の取り扱いをなくすことで参加者との接触をすこしでも減らす意味合いもあります)

この関係で「入場証の現金販売は無し」という運用になってしまいましたが、当日はそこまで大きなトラブルもなく進行できました。ただ、Peatixのアプリを使う前提で入場処理を考えていたところ、予想以上にアプリ非対応の環境の方がいらっしゃったため、急遽QRコード読み取りでの入場処理対応を行うようにしました。

スタッフについても、感染予防策のあらましからマスクの取り扱いなどまでを全員でおさらいし、当日は手洗い・手指消毒励行・マスク着用などの基本的な対策に加え、スタッフ休憩室でも、机椅子をすべて壁向きにし、休憩/食事中はお互いに向かい合わないなど、徹底してリスクの排除に努めました。

サークルに対しては展示の様態が多岐にわたり、統一した、かつ有効な感染症対策の指示が難しいこともあり、参加者本人のマスク着用必須、手指消毒のお願い(と、そのための準備会でのアルコール消毒液設置)、事前検温のお願い並びに体調不良時の参加見合わせのお願いを中心にアナウンスを行いました。サークルの展示における感染症対策については今回のイベントを取材されたメディアさんの記事でも一つのトピックとなっております。

結果としては本イベントからの感染者発生ということは報告されず、無事イベントを完遂できたものと考えています。これも、ひとえにすべての参加者が感染拡大防止を意識した行動をとってくださったおかげであると思います。その中にはご自身や周辺の方の体調不良、あるいは身近な方にリスクを抱えた方がおられるなどの理由により、欠席の決断に至った方も少なからずいらっしゃったかと思います。それもまた、感染拡大を防ぐ点で、英断であったと思います。

さて、このような態勢下で行われたデジゲー博ですが、例年と変わらない熱気と、様々な個性的な作品が出そろい、当日はお互いに気を配りつつも熱心に作品に触れる様子が見られ、また、参加されたサークルの皆さんからも多くの喜びの声をいただくことができました。サークルとしての参加は見送った方も一般でご来場いただき、来年こそは参加したい、と心強いお言葉をくださったこともありました。

ただ、筐体の持ち込み等、大がかりな展示にあたっては前日搬入などで思わぬトラブルが発生していたところもあったようです。
展示物を持ち込まれるにあたっては、梱包・輸送・設営の各段階で、破損等の可能性も考えて念入りな対策、計画をお願いしたいと思います。また、特に機材レンタルを使用する場合に、運送業者の指定などでトラブルになるケースもあります。こちらも何卒、無理のない計画をお願いしたいと思います。

適正な設営・撤収はイベント会場の安全な利用、イベント内での事故防止へとつながります。サークルの皆さんのご協力をよろしくお願い申し上げます。

様々な感染症対策の結果として、募集サークル数はほぼ半減、また一般参加者も例年の半分以下、その上でサークル参加費など、いつも以上のご負担を皆様に御願いしてもなお、赤字を覚悟しての開催となりましたが、ご協賛の皆様、サークルの皆様、一般の皆様のそれぞれのご支援で、今年の開催を黒字決算で終えることができています。感染拡大防止策への御協力も含め、この場を借りて、すべての参加者の皆様に御礼を申し上げます。

来年の開催については、とにもかくにもCOVID-19の流行状況次第であると言わざるを得ません。足下では感染状況は拡大の一方であり、年明けの各種イベントも厳しい状態に立たされています。ワクチンの開発など、希望の持てる材料もございますが、さりとて一瞬で元の生活を取り戻せるわけでもなく、当面は「ウィズ・コロナ」の生活様式を続行せざるを得ないと思われます。
そんな中でも「場」の持つ力を信じて、出来るだけ開催可能な形を模索してゆこうと考えております。来年も皆様の御協力を何卒、よろしくお願い申し上げます。
また、あわせて一緒にイベントを作る「スタッフ参加」も募集いたしております。ご興味ご関心お持ちの方は是非準備会までお問い合わせください。(義務教育を完了している方なら御参加いただけます)

 

最後に、今回のデジゲー博2020に取材申込みいただいた団体様を一覧で掲載致します。

  • SQOOL.NET編集部 (※当日は取材を自粛されたとのことです)
  • QooApp株式会社
  • ゲームキャスト
  • もぐらゲームス
  • 株式会社ヘッドハイ
  • ファミ通.com
  • ヘイグ株式会社
  • 株式会社角川アスキー総合研究所
  • IGN Japan
  • Game☆Spark
  • インディーゲーム開発者がなんでもやりますからチャンネル

以上

みなさま、デジゲー博2020 ありがとうございました。
デジゲー博2021も、よろしくお願い申し上げます。